争奪戦必須、人気のサンドイッチ

南ロンドンのマイクロベーカリーが手掛ける魅惑のサンド

ロンドン中心部から電車に乗ってたどり着く南ロンドンのクリスタル・パレスは、オーバーグラウンド電車の終着駅。大きな駅舎は名前に負けずに綺麗なつくりをしていて、駅の周りには広々とした公園やのどかな住宅街、子供たちに人気の恐竜彫刻まである。休日に足を延ばして楽しみたいエリアの一つ。

今回紹介するChatsworth Bakehouseは、クリスタル・パレス駅から徒歩で数分の場所にお店を構える小さなお店。
東京には沢山有れど、ロンドンで売り場面積と供給量の限られたマイクロベーカリーに出会うのは珍しい。入り口を一歩入ったらそれ以上先には進めない小さな店内には、黙々とサンドイッチを作るスタッフ、それから目の前に並べられた焼き菓子、棚に並ぶフォカッチャやローフ。


Chatsworth Bakehouse
青空に赤い色が映える店舗

2020年コロナウイルスによるパンデミックの最中にフラットで事業をスタートさせた当初はローカルのWhatsAppグループで始めた小規模なパンとサンドイッチの販売が、すぐに話題となり次第にパンを焼く量も増えていったそう。しかも事業を始めてからの半年間は、売り上げを全てローカルのチャリティーに寄付していたそうで、その志に胸を打たれました。そんなChatsworth Bakehouseは、筆者も寄付したクラウドファンディングを経て2021年10月に店舗をオープン。

サンドイッチを作るTomとスタッフ、販売や広報を務めるSian(右奥)

Tomはパンデミック直前までポップアップのレストランでシェフを務め、Sianは現在もビデオプロデューサーとして働いている。

記念すべき初めてのサンドイッチ!物凄く食べ辛かったけど、美味しかったのを覚えています。

毎週変わるサンドイッチのメニューは、平日の水曜日から金曜日のみの販売で他にはフォカッチャ、ローフとクッキーなどが購入できる。
オンライン上で事前購入必須のサンドイッチは、基本的に毎週月曜日の正午よりスタートで一瞬で売り切れてしまうため、時間との勝負だ。カートに入れたはずのサンドイッチが、決済前に売り切れてしまうことが多々あり涙をのんだ懐かしいあの日々。※サンドイッチの詳しい内容や購入方法は公式サイトや公式インスタグラムを要確認!

公式インスタグラム
キムチを挟んだサンドイッチ。アジア風サンドがメニューに並ぶ事も多い。
サンドイッチのメニューはいつでもビーガンオプションがある。
晴れた日は駅近くの公園で食べるのが気持ちがいい。
季節が変わって少し肌寒くなっても、外で食べる。イチジクジャムの甘みが秋らしい。
ピリ辛に味付けされたツナが美味しい。
ニンニクを使用したソースが使用される事も多いため、気を付けよう。

週末土曜日はフォカッチャを使用したピザが食べられる。予約不可のため、必要なのは長い行列に並ぶ覚悟のみ。
午前中にはガレット(アメリカ風のパイ)や焼き菓子、サワードウブレッド、ケーキが店頭に並びピザの販売は昼過ぎからとなるため時間の調整は意外と難しい。最初で最後となってしまった土曜日の訪問は、ピザの提供がが午後からと知らず、いつも通り開店直後に行ってしまったため食べる事は出来なかった。

ピザの代わりに購入したトマトのガレット。トマトの甘みと生地の塩味が丁度良く、何個でも食べたかった。
土曜日のメニュー表。なんだか雑なのが可愛らしい。
オペレーションが少し時間がかかるため、本や時間を潰せる何かを持っていくことをおすすめしたい。
帰国前最後に食べたサンドイッチは、大切に持ち帰って東ロンドンのお気に入りの公園で。

西ロンドンから1時間かけて何度も通っているうちに、インスタグラムのDMで何度もやり取りをするぐらい仲良くなった2人。お店に行く度にトートバッグやティータオル、ステッカーなどをおまけしてくれた。
サンドイッチが買えなかったときは、特別に作ってくれたこともあり、買えなかった人にはなんとなく申し訳なかったけどお友達特典だと思い美味しくいただいた。外国で生活する事は大変な事も多いけれど、新しい人との出会いはいつでも楽しく、サプライズに満ちていることを思い出させてくれたChatsworth Bakehouse。
いつかまた会って話して、彼らの作るサンドイッチを食べたい。今度こそフォカッチャピザも絶対に。

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