ロンドンでパン散歩Vol.3
カラフルなエリアでパンの魅力に出会う
04 Jul 2023
連載第3回目は、中心部よりも移民のパワーを感じる東ロンドンのDalston地区の情報をお届けしたいと思います。
多文化が入り交わり独特の雰囲気を放っているので、ロンドンに住み始めたばかりの人や海外に馴れていない人は少し気疲れしてしまうかもしれないけれど、地域に根ざした個人経営店が多く歩いていてとても楽しい。おしゃれに敏感な若者やヒップな人々を沢山目にする事ができるエリアです。
The Dusty Knuckle Bakeryはいつ訪れても活気がある。美味しいパンを求めて列を成す人々、サンドイッチとコーヒーを友人と一緒に楽しむ人や愛犬を連れてフラッと訪れてあまりの行列に引き返す人、注文した人の名前を叫ぶ従業員。
人気は、何といっても彼らの作るオリジナリティ溢れるサンドイッチの数々。柔らかくモチっとした食感のフォカッチャと食材の組み合わせがいつ食べても美味しい。その首位類も豊富でベジタリアンやビーガンにも対応しているところが、とてもロンドンらしい。人気のサンドイッチは早々に売り切れてしまう事もある。
また彼等の素晴らしいところは、単純に美味しいパン屋、使い勝手の良いカフェという事だけではなく、若者の社会復帰をサポートしているYouth programmeにもある。
犯罪歴のある人を含む、助けを必要としている若者を地域や専門機関からの紹介で雇い、パンを焼くスキル、チームで働き人とコミュニケーションをとる機会を与え社会復帰、経済的自立に向けたサポートをしている。ソーシャルグッドな活動の背景には、複雑で大変な手続きもあるかもしれないけれど社会問題に向き合い、問題の解決に取り組むベーカリーの今後に注目したい。
お次は、Dusty Knockleから少し北へ向かって噂のベーグル専門店へ。
なんだか美味しそうなベーグルがある。2021年5月下旬、コロナ対策の一環で日本から英国に入国した私は、入居したばかりのフラットで自主隔離をしていた。当然やるべきことは沢山あったけれど、窓から覗く外の天気はロンドンらしからぬ快晴続き。外を自由に歩き笑う人々を羨んでいると公的な手続きに対するやる気はどんどんなくなり、一日中Instagramを眺めるだけ。そんな時フラットからも近いパン屋さんの投稿で目にしたPapo’s Bagelsの文字。
当時近隣のお店に勤めていたフラットメイトに仕事のついでに買ってきてくれないかと頼んだものの、あまりの人気にこの時は手にする事ができませんでした。それでもどうにかして食べてみたいと思い調べると、曜日別のエリア別にデリバリーしている事を知りすぐに注文!
大きく丸々としたフォルムはまさにNYスタイルのベーグルの証。食べる前、写真を撮っている時からドキドキが止まらない。
クラストは薄くパリッと、クラムはむぎゅむぎゅムチっとした食感。一つ目をそのままの状態で食べ終え、このベーグルは絶対にトーストしたほうが良い直感で感じたため、二つ目は半分にスライスし、家にあったトースターで温める事数分。クラストはまるで醤油せんべいを食べているような香ばしく、よりカリッとした食感に生まれ変わり、クラムはよりモチモチな食感となった。トーストする事を全力でおすすめしたい。
その後しばらくの間は再度デリバリーを頼むチャンスがなかったが、なんと嬉しい事に2021年12月に実店舗がDalstonにオープン。いつ行っても人がいる人気店となっていた。
Papo’s Bagelsのすぐ近くにはカフェもあるし、少し歩けばHackney Downs Studiosや公園もある。晴れて気持ちがいい休日はDalstonを散歩をして自分のお気に入りのお店を探してみよう。
Eat Like a Local
Dalston Junction駅すぐ近くに面白いラーメン屋がある。店名はSupa Ya Ramen。お店を訪れてくる客層は若く、陽気な音楽が比較的大きな音量で店内に鳴り響いている。
日本では目にする事がないような、独創的なラーメンのラインナップは行く度に心が踊らされる。見た目にも美しく、美味しいロンドン流のラーメンは話題作りにも最適だ。