ロンドンでパン散歩Vol.2
ユダヤの味わいを探る
04 Jul 2023
連載第2回目は、多様性に溢れたロンドンならではのパン、Challah(ハラー)を紹介したいと思います。
ユダヤの編みパンとは?味や食感は?あなたの気になる疑問を解決します。
Challah(ハラー)とは?
簡単に説明すると、ハラー=金曜日に食べるパンです。って簡単にしすぎましたね。
もう少し詳しく説明すると、ユダヤ教の安息日(金曜日の日没から土曜日の日没まで)、ユダヤ教の新年であるロシュ・ハシャナなど、特定の祝日にも重要な役割を果たすパンです。特に安息日(ヘブライ語でシャバット)の夜ご飯では、ハラーを家長が一切れずつ手渡すのがしきたりとなっているなど、生活とは切り離すことのできない非常に大切なパンになります。
一般的に多く見られるのは、イースト菌を使用したふわふわとした食感の白い生地の物になりますが、中には珍しく自家培養酵母で作られるものまで。ほんのり甘く、ふわふわな食感は日本の食パンを彷彿とさせるため、朝食にもサンドイッチにも使いやすく食べやすい。
ロンドン最大の公園Hampstead Heathすぐ近くに位置し、駅からのアクセスも良いKarma Breadで人気の商品はなんといってもChallah(ハラー)。ロンドンでは金曜日に見かける事の多いユダヤの安息日のパンだけれど、Karma Breadでは基本的に毎日焼いているためいつでも食べられるのが嬉しいポイント。プレーン、セサミ、ポピーシードやリッチな味わい食感のプレミアムなど種類も豊富にあります。
また最近は湯種製法を用いた食パンも焼いており、実はこちらもお店の隠れた人気商品。ただし製造日、製造数に限りがあるので事前に電話で確認や取り置きをお願いするのがおすすめです。モチモチした食感とほんのり甘い味わいに虜になる事間違いなし。
夏場はHampstead Heath内の池で泳ぐこともでき、自然に近い状態で保たれ公園はピクニックにもピッタリ。自然の中で食べるパンの美味しさはまた格別です。
ロンドンの中心部からやや離れた北西に位置するMargot Bakeryは自家発酵種にこだわったパンが人気のお店。特に金曜日限定のサワードウハラーは甘みと酸味のバランス心地よい名作。同じくサワードウ生地を使用したクロワッサン、シナモンロールなどのヴィエノワズリーも他店とは一線を画す味わい。またユダヤ暦の新年祭であるロシュ・ハシャナには限定フレーバーが並ぶため見逃せません。
店内の席は窓際に小さく数席程度なので、空いていればラッキーぐらいの感覚で行く事をおすすめします。基本はテイクアウトと思って行きましょう。
Margot Bakeryの姉妹店として2022年にオープンしたお店。市内中心部に少しだけ近づいて来てくれたので、中心部からのアクセスも良くカフェスペースもしっかりとあるため、使い勝手がとても良くなりました。
基本的なラインナップは、Margotと同じと考えても良いですが、こちらのお店にしかない商品も多数あり。
※サワードウハラーは金曜日限定販売
筆者本人も未訪問のため紹介できていませんが、ロンドン北部のGolders Green周辺にはユダヤのコミュニティがあるため、ハラーを扱っているベーカリーが多数あります。その中でも友人にお勧めされたのが、Carmelli Bakeryというお店。
気になる方は、ぜひ訪れてみてください!