自然と芸術のコラボを楽しむブラジルのアート旅
野外博物館「イニョチン(Inhotim)」
04 Jul 2023
ブラジル南東部ミナスジェライス州、州都ベロオリゾンテ近郊に世界最大級の野外博物館イニョチンがあります。
イニョチンのいちばんの特徴は、ブラジルや世界を代表するアーティストの作品が大自然の中にあること。
鉱業や農業がさかんなこの地の奥深く、生い茂る植物とアート作品が共存する唯一無二の博物館。
トラベルサイト、トリップアドバイザー発表の「死ぬまでに行くべき世界の美術館23選」にも選ばれたとあって、「これは行くしかない!」と意気込んでベロオリゾンテからバスで向かいました。
Inhotim -イニョチン-
Address:Rua B, 20, Inhotim. Brumadinho, Minas Gerais, Brasil
チケット価格は18歳以上60歳未満の大人料金で1日券50レアル、2日券88レアル、3日券120レアル(2023年6月現在1レアル=約28円)。
子どもや学生、60歳以上は上記価格の半額です。
そして毎月第一水曜日はなんと無料!
2023年の時点では1日に入場できるのは5000人までとしていますが、インターネットで予約もできます。
イニョチンのスケールは大きく、敷地は東京ドーム約30個分と広大かつアート作品の数は屋内外で700以上。
時間がない中でたくさん回りたい場合は、有料のカートを使うのがおすすめです。
それでもすべて制覇するには1日では足りないため、じっくり楽しみたい人は2日券や3日券を利用しています。
今回私たちには1日しかなかったものの、せかせかせずゆっくり散策したかったので、目当てのアート作品をあらかじめ絞りました。
それでは、ここからは私たちが実際に見たアート作品の一部やイニョチンの風景を紹介していきます!
入口近くのギフトショップ
しゃれたインテリア雑誌に登場しそうな外観に期待が膨らむ。
店内ではミナスジェライス州やブラジルのアーティストが作った上質な雑貨やエコバッグ、衣料品、ギフトなどを販売。
圧巻の植物たち
世界中から集められた珍しい植物はなんと4300種以上。
目にする植物たちはみたこともない不思議な形だったり、とんでもなく巨大だったり。
独特の曲線を取り入れたイニョチンのガーデニング。
プロジェクトを担ったのはモダニズム×熱帯植物のスタイルで活躍した20世紀を代表するブラジルの造園家、ロバート・ブール・マルクス。
アート作品① Elevazione
鋼鉄の柱によって3メートルの高さで支えられた宙に浮く木。
イタリア人アーティスト、ジュゼッペ・ペノーネが手掛けた時間の経過をエッセンスとした作品。
アート作品② Magic Square
ブラジルを代表する現代アーティスト、エリオ・オイチシカ。
環境アートでも知られ、60年代末の芸術運動、ブラジル・トロピカリア・ムーブメントの中心的人物。
彼の死後、残されたサンプルや模型などをもとに完成した作品。
アート作品③ Palm Pavilion
アルゼンチン生まれのタイ人アーティスト、リクリット・ティラヴァーニャの作品。
建築家ジャン・プルーヴェがアフリカ大陸のフランス植民地に住む人へ向けて作った住宅を元とし、屋内にはヤシ(Palm)にまつわる作品を展示。
アート作品④ Narcissus Garden Inhotim
日本が誇る芸術家、草間彌生氏のナルキッソスの神話にちなんだ作品。
太陽に照らされ輝く銀のボールが、さわさわと吹くそよ風に触れてゆっくりと水面を滑る。
今回ご紹介したのはイニョチンのほんの一部。
いつの日か3日券を利用して全制覇したいと思います!
アート好きはもちろん、自然愛好家やトラベラーを魅了するイニョチン。
上質なアート作品と植物の力強さが織りなす圧巻の景観は、豊かな自然を誇るブラジルでだからこそできあがったもの。
新鮮な空気をいっぱい吸いながら、ゆっくりと流れる時間に身を委ねてのアート鑑賞は別格。
ひと味違ったディープなブラジルの観光スポットをお探しの方はぜひイニョチンを訪れてみてください!