ロンドンでパン散歩Vol.6

再開発の波と異文化を味わう

連載第6回目は、この数年の再開発や東から流れてきたクリエイター達による変化が顕著なテムズ川を越えた南ロンドンの情報をお届けしたいと思います。素晴らしいパンを提供する数多くのパン屋さんがありますが、今回は独自の味わいや魅力的な店内、地元のコミュニティとの結びつきなど、個性が光っているお店を3軒紹介します。南ロンドンのパン屋さん巡りを一緒に楽しみましょう。

Toad Bakery

Toad Bakeryは、今南ロンドンで一番と言っていいかもしれない程人気のお店。開放的な雰囲気の店内には、サワードウのパンから鮮やかで目を引く斬新なフレーバーのパンから焼き菓子、ケーキまで幅広い選択肢が用意されています。
季節によって頻繁に焼くパンが変わる為、いつ訪れても新しい発見がありますがやっぱり定番のクロワッサンはぜひ食べてみて欲しい。形も少し他のお店の物とは異なっていて、味わいもサクッとした外側の生地とモチっとジューシーな内側の生地のコントラストがとてもレベルが高いです。甘いパンだけではなく、総菜パン的な立ち位置でスパイシーな味わいのクロワッサンや英国産チーズを使用したデニッシュなども充実しているのでお昼ごはんにもピッタリですが、製造量も限られているため、午前中には行く事をおすすめします。ちなみに筆者は、1時間かけて昼過ぎにお店に行ったところ、目の前で売り切れてしまった事があります。

特徴的な形のクロワッサン
魅力的で食欲を刺激するディスプレイ
沢山の種類の焼き菓子やデニッシュ
Mondo Sando

Mondo Sandoは、隠れたサンドイッチの名店。
意外な組み合わせの材料を使った食べ応え抜群のサンドイッチが特徴的。パブの中で購入可能なため、お酒好きの心も掴んで離しません。地元からパン好きまで広く支持されていて、もちろんベジタリアンやビーガン仕様のメニューも用意しています。メニューは頻繁に変わる為、こちらのお店もインスタグラムは要チェック!オンラインオーダー(現地引き取り)も可能なので安心です。

この日は職場の同僚と一緒に!なんだかベジタリアンやビーガンのサンドイッチを頼んでしまうこの頃。
Kapihan

南ロンドンの再開発の中心とも言っていいバタシー地区にあるKapihanはビビンカ(Bibingka)に特化したフィリピン系のベーカリーカフェ。移転問題を乗り越えて2023年1月に再オープン!

ビビンカは、フィリピンの伝統的なおやつであり、特にクリスマスシーズンに人気があるらしく主な材料は米粉とココナッツミルクで、甘くてもちもちとした食感が特徴です。現地では街角の屋台やパン屋さんで手軽に入手できるらしいですが、ロンドンで販売しているのはもしかしたら、このお店だけかもしれません。
異なる文化からの影響を受けフィリピンのパン文化。Kapihanでもオリジナル以外にも様々なのバリエーションが生まれています。忙しい日も、のんびりとした休日も行列の先に待っている甘いビビンカにコーヒーを合わせて、美味しいひと時を。

バナナの葉に包まれて焼かれているビビンカ
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